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歯ぎしり、くいしばりのお話
2016年08月30日 歯科医師:京嶌陽光
こんにちは!
スマイルプランやまもと歯科クリニック、歯科医師の京嶌です!
本日は、歯ぎしりやくいしばりについてお話しさせて頂きたいと思います。
おそらく多くの方が無意識のうちに日中、あるいは睡眠中に
歯ぎしりやくいしばりをしていらっしゃるのではないでしょうか?
ほんの一例ですが、写真のように歯がすり減って平らになっている方は
歯ぎしりされている可能性が高いです。
我々は、歯ぎしりやくいしばりなどのことを総称して、「ブラキシズム」と呼んでいます。
このブラキシズムは、被せ物の破折や歯の破折、顎関節症、歯周病の悪化など、
様々な障害の要因となるやっかいなものです。
そして、ブラキシズムは睡眠中に行われる「睡眠時ブラキシズム」と、
起きている間、すなわち覚醒中に行われる「覚醒時ブラキシズム」に区別されます。
睡眠時ブラキシズムは、
起床時に顎が痛くなるなどの症状があることが多く、
それに対して覚醒時ブラキシズムは、時間が経つにつれて症状が強く現れるので、
日中や夕方頃に症状が強くなる傾向があります。
ところでみなさん、「歯ぎしり」はイメージしやすいと思いますが、
「くいしばり」と言われると、どの程度の力を想像されますか?
ある研究結果では、くいしばりという言葉からイメージする力の大きさは
最大咬合力(1番強く噛んだ時)の70~80%であるという結果が出ています。
では、その70%の力で噛み続けることは出来るでしょうか?
おそらくほとんどの方が疲れてできないと思います。
続いてその半分くらい、つまり3割くらいの力で噛み続けることはできますか?
これに関しては、上下の歯を「ほぼ接触している」くらいなので、できると思います。
これまたある研究結果では、
最大咬合力の40%の力で噛み続けられる時間は1.5分程度であるのに対して、
7.5%の力で噛み続けられる時間は、その100倍の約2.5時間であると言われています。
つまり、くいしばりは持続困難で、歯の接触程度なら持続可能ということです。
ちなみに一般的に生理的機能の範囲において1日の中での「歯の接触する時間」は、
平均17.5分と言われています。これは食事の時間も含まれています。
以外と短いですよね。
つまり、それ以上長く歯が接触していると、生理的許容範囲外なので、
いずれブラキシズムの症状が出てくる可能性があるということです。
では、ブラキシズムに対してどのように対処していけばいいのでしょうか?
まず睡眠時ブラキシズムに対しては、写真のようなマウスピースを夜寝る時につけてもらって、
歯にかかる負担を軽減させます。
そして覚醒時ブラキシズムに関してですが、歯の接触を完全になくすことは困難です。
考え方としては、障害がでないレベルにまで軽減させることが大事です。
したがって、歯の接触によって力が生じる時間を短くするという意識が必要になってきます。
これに関しては、自分で意識して、歯が接触していると気づいたら、すぐに深呼吸して、
上下の歯が離れるようにします。
本来、リラックスしているときは上下の歯は接触していないので、
深呼吸して上半身の力を抜いてあげると、自然と上下の歯が離れていきます。
慣れるまでは、大変かもしれませんが、これを繰り返すことで、
習慣化され、歯の接触時間が短くなり、症状が軽減していくことが予想されます。
長々と説明しましたが、自分が歯ぎしりやくいしばりしているかも?
と心配に感じていたら、ぜひご相談にお越しくださいね。